
公務員の定年延長が議論されています。
概要についてまとめつつ、元公務員の視点から制度の是非を考えます。
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定年の概要
国家公務員の定年は、国家公務員法第81条の2第2項に規定されており、原則60歳になっています。具体的には、60歳に達した日以後における最初の3月31日が定年退職日になります。
引用:人事院HP
大部分の民間企業で定年制を定めており、そのほとんどが一律定年制を採っており、60歳を定年年齢としている企業は約8割となっています。
引用:人事院HP
つまり、現状は民間企業でも公務員でも60歳定年が一般的であるということですね。
改正の概要
国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる関連法改正案をめぐり、政府は18日、2022年度から引き上げを始める方向で検討に入った。
引用:時事ドットコム(2019年12月18日)
2020年から定年を60→65にすることについて議論中という事です。
定年延長変更イメージ
定年延長前 | 定年延長後 |
給料半減 | 現役時の7割に |
かつての部下が上司に | 課長補佐級の専門スタッフに |
短時間勤務がほとんど | フルタイム・短時間の自由選択 |
人事院の意見
・複雑高度化した行政ニーズに対応できるため高齢者を活用すべし
定年について思う事

結論:元公務員として思う。制度的なメリットは低い。
現役世代からみたデメリット
もし、定年延長したら元課長や元部長が専門スタッフとして席にいたとしたら
仕事について相談せざるをえない環境になります。
通常、元上司が専門スタッフとして在中していたら無視はできませんね。7
つまり、非常に仕事しづらい環境になるということです。
また、意欲や能力のある高齢者は全体の数%。
そのために全体の制度を変えることには疑問です。
定年世代から考えるデメリット
定年延長世代
「よーし、専門スタッフになったからいっぱい意見したろ」
現役世代
「う、老害・・・」
という感じで疎ましい存在になる可能性はありますね。
高齢者専門の部署をつくって、遊軍的に使うのはありだと思います。
公務員受験希望者のエージェントにするとか。
使い方はよく考えた方がいいと思います。
定年延長にするメリット
雇用が安定するという社会的機能はあります。
しかし、公務員で定年まで勤めあげていたなら、貯蓄も十分だと思うので高い給料を払って専門スタッフとして雇用するメリットにはならない気がします。
結論
国は2020年から公務員の定年延長を検討している。
定年延長の必要性に疑問はある。